その日は会議でたまたまと会い、暇かと聞いたら暇だと答えたのでお茶に誘った。
別にやましい意味なんてないんだかんな。俺が紅茶飲みたかっただけだ。
と俺は付き合いがかなり長い。だからこいつは俺の海賊時代のことも、
酒癖悪いことも全部知っている。だから隠すことがない。
一緒にいるのはかなり楽で、その上俺は、のことがす、す、ごほんごほん。
「わぁ、美味しい。」
「当たり前だろ!」
「まさかあの最低最悪最強鬼畜のイギリスが紅茶入れるようになるとはねー」
「うるせぇな!それ言うの何度目だよ!」
は軽く微笑みまた紅茶に口をつけた。
ミルクはたっぷり、砂糖は1つ。でも、アップルティーのときは何も入れず香りを楽しみながら飲む。
そんなの紅茶の飲み方、性格、癖、嘘をついているときの顔・・・
俺はなんでも知っている。たぶんも俺も、お互いのことはほぼ知っているだろう。
でも俺には知らないことが1つだけある。
が俺のことを(もちろん恋愛的な意味で)どう思っているか。
今まで何度もチャンスがあったにもかかわらず、俺はまだ聞くことができなかった。
情けない。この俺ともあろうものが。でもいざに言おうとすると、どうしても言葉に詰まってしまう。
いつになったら伝えられるのか・・・
「ねぇ、イギリス?」
「ん?なんだ?」
「今日またフランスと喧嘩してたでしょ」
「・・・今その名前だすなよ、腹立ってくる」
「仲良しだね」
「はぁ?どこがだよ」
「どっからどう見たってじゃれてるようにしか見えないよ」
はそう言うとそっぽを向いてしまった。目線の先にはたぶん薔薇がある。
は俺の家の薔薇が好きだった。特に赤い薔薇。今でもたまに貰いに来ている。
愛と情熱って感じで素敵じゃない?とにっこり笑うを思い出した。
「私、生まれ変わるんだったら、フランスか薔薇になりたい」
「・・・なんでだよ?意味わかんねぇ。」
薔薇ならまだしも、なんでよりによってフランスなんだよ。
今一緒にいるのは俺なのに、お前はフランスのこと考えてるわけか?そんなフランスが好きかよ。
そーいや薔薇いつも持ってるしな。それにこの間も楽しそうに話してたし。
がフランスの名を呼ぶだけでイライラする。
フランスが好きならフランスのところへ行けよ、と言ってやろうと思った。
しかしその前にが口を開いた。
「だってイギリスに大切にされてるじゃない。
私はフランスよりも薔薇よりもイギリスのことを知ってるのに」
は寂しそうな、苛立ったような、そんな顔をしてカップに目を落とした。
ちょっとまて、これじゃあまるで・・・
「嫉妬?」
「し、嫉妬じゃない」
俺はつい口が滑って声に出してしまい、馬鹿なことを言ったと思った。
いつもなら鉄拳が飛んでくるので、思わず身構えたが、今日はなんだか様子がおかしい。
の目に涙がたまるのが見えた。
なぁ、お前・・・、否定しないのか?フランスどころか薔薇にも嫉妬?正直相当嬉しかった。
お前、わかってないよ。俺はいつもお前が一番なのに。
「ばーか」
「なによ!あんたのほうが馬鹿!」
「好きだよ」
「私だって好、え?」
きょとんとしたの顔。その顔を見て俺は笑った。は、なんで笑うの?というような眼で俺を見つめた。
俺は椅子から立ち上がり、の方へ向かった。一歩、二歩、三歩。
たった三歩の距離をゆっくりと踏みしめて歩く。
「なによ」
の顔はもう真っ赤だった。あぁ、愛しい。
思わず俺はの頬に手を触れた。その後の手をとり、椅子から立たせ、おもいっきり抱きしめた。
「!?イギリ、ス?」
「好きなんだよ。薔薇より、紅茶より、アメリカより、お前のことが。」
「フランスは?」
「あいつは比べるに値しない。っつーかお前があいつの名前呼ぶだけでむかつく。」
「なにそれ、馬鹿じゃないの」
言葉とは裏腹に、は俺の胸の中で嬉しそうに笑った。
「私も、イギリスのこと好き」
「薔薇より、紅茶より、アメリカよりも?」
「うん!フランスよりも!」
は俺の背中に手をまわした。頭をこすりつけてきただけでも可愛いのに、
イギリスいい匂い。とか言ってきやがった。このばか…!俺はさらにを強く抱きしめた。
君>>>薔薇
(お前以上に好きなものなんてねーよばぁか)
(20091130)
なんでも嫉妬しちゃう夢主と「いい匂い」っていう描写を書きたかったんですけども;
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