こんなに好きなのに、面と向かっては何も言えない。
それが俺の悪いところ。そんなの痛いほどわかってる。
いつかまた、アメリカが離れて行ったみたいにも離れて行ってしまうんじゃないか?
そういう不安が日に日に大きくなっていく。口に出して言えれば、こんなに悩むことないのに。
「なぁ、…」
「ん?」
「えーと…」
「…?どうしたの?今日、元気ないね。」
熱でもあるんじゃない?そう言っては俺のおでこに手を当てた。
やっぱり駄目だ。面と向かってじゃなんにも言えない。
「うーん・・・」
「なぁ、もう少し、こうしててくれないか?」
の手が、俺から離れようとしたのを引き止めた。無意識だった。が俺から離れるのが嫌だった。
つまり小さな「あがき」というやつで。でも言ったら言ったで恥ずかしくなった。
「あ、悪い。なんでもない。」
「アーサー、今日やっぱり変!」
「そんなこと、うわっ」
が俺を抱きしめた。
「どうせ聞いても教えてくれないんでしょ?心配する身にもなってよね」
ばか。そう言っては俺の背中を撫でた。
の身体はすごく温かくて心地良い。ふわりと香るの匂いが俺の鼻をかすめる。
離れていかないでくれ。お前までいなくなったら、俺はどうすればいい?
「よしよし」
「子供扱いすんなばか」
「可愛くなーい」
口から出るのは皮肉ばかり。自分の気持ちも上手く伝えられない俺は、確かに子供かもな・・・。
やっぱり言わなければ何も伝わらない。
「、俺から離れないでくれ。」
「今日おかしい理由はそれ、ね。・・・離れろって言われたって離れないわよ。」
「本当か?」
「本当。なんか妬けちゃうな。」
「なんでだよ」
「だって、アルのことがあったからそんなこと言うんでしょ?
アーサーはいつもアルのことで頭がいっぱいなんだから!」
「・・・それは誤解だ!」
「愛の言葉もなかなか言ってくれないしね?」
「うっ」
「アーサーが思ってる以上に、私はアーサーが好きなんだから!なめないでよね!」
ぎゅっと抱きしめられていたら、今まで悩んでいたのが馬鹿らしくなった。
はちゃんとわかってくれているみたいだ。こんな俺でも好きと言ってくれる。
好きになったのがでよかった。本当によかった。
Ironical Boy
(「、あいしてる。」)
(「嬉しい。でも今度はちゃんと目を見て言ってよね」)
(「・・・わかってるよばか!」)
(20100228)
Ironical Boy=皮肉な男の子。
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