「ただいま」
「お帰り…って何その傷!」
「…別に、」
「またフランシスと喧嘩したんでしょー」
「喧嘩なんてしてねぇ!」
「はいはい。負けたのね。」
「なっ」




帰宅するといつもがいる。今日はあまり遅くならないと伝えていたので、待っていてくれたようだ。 リビングのソファーでくつろいでいたときに、傷だらけの俺が帰って来た。 そして、の言うことは見事に当たっていた。俺は今日あの髭と喧嘩した。「今日も」と言ったほうが正しいか。 しかも負けた。昨日、溜まっていた仕事を片付けたせいで寝不足だった。 それが祟ったのだろう。今日の俺は隙だらけだったと反省している。畜生…なんでもお見通しかよ。 喧嘩するのは日常茶飯事だからわかるにしても、なんで負けたことがわかるんだ? いらいらする。あ、別ににいらいらしているわけではない。髭ごときに負けた自分にいらいらしているだけだ。 だから早く寝たかった。こんな羞恥、すぐにでも忘れたかった。




「俺、今日はもう寝るからな。」
「アーサー、待って!」
「あん?」
「血出てるから」
「こんなもん、かすり傷だよ。シャワー浴びればどーにかなる」
「もー!シャワー浴びたら戻ってきてよ!消毒しなきゃ!」
「大丈夫だって…」
「アーサーァァァァ!」
「わ、わかったよ」



確かに血は出てるけど…そんな痛くねぇし…。でもがあまりにも怖い顔するから、従うことにした。



















「痛っ!痛ぇ!」
「あ、ごめん」






シャワーを浴びて、リビングに戻った。は消毒液やらガーゼやらを用意していて、うーんと唸っていた。普段あまり使わないからだろう。 自分でやるから、と言っても聞かなかったので任せることにしたが、正直へたくそだった。 いつも俺を馬鹿にしたような口を聞くくせに、とちょっと笑えた。






「なに笑ってんの」
「いや、ヘタクソだなーって」
「はあ!?せっかくやってあげてんのに!!!」
「ごめんごめん。ありがとな」





一生懸命なを見て、とても愛しく思った。下手でもいいのだ。気持ちが嬉しかった。 気づけばの手にキスをしていた。





「ななななななな…!何してんの!!!」
「い、いや、これは別に…どーでもいいからさっさと続きやれよばかぁ!」





なんてことをしてんだ俺は…いや別にいいんだよ、恋人だし…。でもなんだ、あの驚き方は。嫌だったのか? 恋人だよな?俺達恋人だよな?そんなことよりどうすればいいんだこの気まずい空気…





「はい!終わり!」
「ぶつぶつ…」
「アーサー!終わったよー」
「でも俺は…いや…」
「アーサー!!!!」
「お、おお?」
「終わったよ。大丈夫?」
「あ、あぁ。…ありがとな。」
「よかった」





は幼さを取り戻したようにヘラッと笑った。実を言うとこの笑顔に俺は弱い。 今日、怪我して良かったかもしれない。






「さて、もう寝るか!」
「え!?もう寝るのか?」
「…今日は早く寝たいって言ったのアーサーじゃない」






そうだけどさ、もっとなんかあってもいいじゃねーか?いくら軽くても怪我人だし…。 もっとこう、私が看病してあげる…とか…。ずっと一緒にいてあげる、とか。あーやべ、ムラムラしてきた。








「やっぱ痛ぇ。」
「え?」
「やっぱ痛ぇから、膝かせばか」






我ながらいいアイディアだ。明日は休みだし、には悪いが、しばらくこうしていてもらおう。そんでそのあとベットにつれてって…






ひざまくら





(「ねぇ、膝枕はぜんぜんいいけど、なんでこっち向きなのよ」)
(「こっちむきじゃ駄目なのかよ?」)
(「…変態!」)







































(20091130)
変態で確信犯な英が好きです。←