前だけを見ろ!振り返るな!戦え、己のために!
アーサー・カークランド様の下で私は戦士として戦っていた。
私は、アーサー様の剣であり、盾であり、馬である。
アーサー様のために戦うこと、それが私の誇り。
男なんかに負けない。一番強い自身がある。
けれど、戦いは終わり、世界は平和を求めた。
「」
「はい。何か御用ですか?」
「お前はもう、戦わなくていいんだ。」
アーサー様はふわりと笑った。
私には戦う以外に出来ることなんてないのに。
アーサー様の一言は、私にとって残酷だった。
「私はまだ、アーサー様と共に戦いたいです。」
私は、まだあなたといたい。お願い、どうか・・・
「・・・お前はいらない」
戦うことが良いことだとは思わない。
私は戦うことでしかアーサー様の役に立てない。
でもそうか、私はもう、必要ない。
アーサー様の言葉を理解すると、痛くても辛くても出なかったはずの涙が流れだした。
あぁ、これが、『悲しい』っていう気持ちか。
「そう、ですか、では、私はこれで。」
これ以上、アーサー様の手を煩わせてはいけない。
このような失態を見せてはいけない。早く消えなければ。
アーサー様に顔を見せないよう、私は背を向け、足早に去ろうとした。
「待て。話はまだ終わっていない。」
「・・・どうか、このままでお話しください。」
泣いているところなど、アーサー様に見せるわけにはいかない。
でも涙が止まらない。どうやって止めるかもわからない。
「こっちを向け」
「・・・できません」
「どうして?」
「どうしても、です。」
後ろから足音が近づいてくる。
顔を見せるくらいなら、と逃げ出そうと思ったが一歩遅かった。
アーサー様に肩を掴まれ、無理やり正面を向かされた。
「、お前、泣いているのか?」
「――――っ」
アーサー様の顔が見えたと思ったら、視界が暗くなった。
私は、アーサー様に抱きしめられていた。
「ア、サ、さ・・・ま?」
「戦士としてのお前はもう、いらないんだ。」
「・・・え?」
「
、愛してる。今度は俺の恋人として、傍にいてくれないか?」
私の目から涙が溢れる。
どうして良いかわからなかった手は、アーサー様の背中に回っていた。
新たなる旅路
(これが『嬉しい』の涙だ。)
(20100815)
趣味丸出しですいません。アーサー様に仕えたいのは私です。
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