「猫は、いい」
自由だから、だそうだ。
遺跡と猫とあなたとわたし
私の隣にいるギリシャさんは、無類の猫好きらしい。
私を誘っては遺跡に座り込み、猫と一緒に昼寝をする。
暇、といえば暇なのだろうが、私はこの時間が結構好きだ。
「ギリシャさん、ギリシャさん、」
「ん?」
「あの雲見てください!猫みたい!」
私は遥か遠くの雲を指差した。丁度猫の耳のように尖った部分が二か所ある。
眠たそうにしていたギリシャさんも、雲を見つけるとおぉ、と言って起き上がり、その雲を見つめた。
「本当に、猫みたいだ。」
「はい!」
「よく見つけた、な。」
大きな手が、私の頭を優しく撫でた。
ギリシャさんの細められた目を見て、幸せな気分になった。
「は、猫、みたいに、ふわふわしてて、大好きだ」
突然の言葉に、思考が停止する。
ギリシャさんから好きなんて言われたのは初めてで、どきどきした。
それは、愛の告白ととるべきなのか、はたまた猫への愛情ととるべきなのか。
どちらにしろ好きと言われたことに変わりはないのだ。
素直に喜ぶべきことだと思った。
「私も、ギリシャさんが大好きです。」
そう言って笑うと、一瞬ギリシャさんの目が見開かれた。
それはごく僅かな違いで、ギリシャさんが大好きな私でさえも最初見分けるのに苦労した。
動揺したのかな?少し、嬉しいかもしれない。
私のことであたふたするギリシャさんなんて想像出来ないもの・・・。
「両、想いだな」
数時間後に放たれた遅すぎる返答に、今度は私が動揺するのだけれど、それはもう少しだけ先の話。
(20101116)
ギリシャさんの周りを流れる時間はなんと言うか…幸せだと思います。←
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