放課後のパトロールは生徒会長の役目で、俺はそれをまっとうしているところだった。
外は部活動をしている生徒の声で溢れていが、
それと打って変わって、校舎は静まりかえっていて、丁度夕日が沈みかけているところなのだろうか、
教室がオレンジ色に染まり始めている。
「異常なし。・・・ん?」
隣の教室から何か物音がした。まだ誰か残っているのだろうか?なぜ教室に?不信に思い、そっと教室を覗いた。
「まいねーむいず」
発音悪っ
とツッコミたくなったが我慢我慢。よく見ると、見知った顔と声・・・。
「はぁ・・・」
「おい、何やってんだ?」
「え!?」
俺が見ているとは思わなかったのか、唖然とした顔で口をパクパクさせている。
「アーサー!」
「別に残っていても校則違反じゃないが・・・何してんだよお前」
俺は生徒会長としての役割をきちんと果たすために問うた。
は一瞬顔をしかめたが、すぐに何か思いついたようにパッと明るい表情になった。
「英語教えて!」
「はぁ?」
「だってだってー」
は涙ながらに(泣いてはいないけども)理由を話し始めた。
なんでも自己紹介を英語ですることになったそうな。なんで今更。
「だからお願い・・・!アーサーだけが頼りなの!」
生憎俺は忙しい。と断るつもりだったが、次の言葉で気が変わることになる。
「それにね、先生もイギリス英語は綺麗だって言ってたし・・・アルフレッドは怒ってたけど。」
「・・・任せろ!!!!」
こうして俺はに英語を教えることになり、教室で向かい合わせに座った。
今俺の目の前にはうんうん唸るがいる。
「んな悩まなくても、簡単なことでいーんじゃねーか・・・?」
「簡単って言われてもさー」
「好きなもの適当に並べとけよ」
「好きなものかぁ・・・」
は俺のアドバイスを聞き、また考え始めた。
「よし!あい、らぶ、すし!!!」
「ちょっと待て、それは駄目だ」
「え?なんで?文法間違ってる?」
「文法が間違ってるわけじゃないが・・・」
「・・・?」
「その・・・いいか、イギリス英語ではLOVEは人にしか使わないんだ。」
だって、邪道だろ?最上級の『愛してる』を物に使うなんて。物にはLIKEで十分だ。
「ロマンチックだねぇ〜」
「ちゃかすなよ」
「ちゃかしてないよ。すごく素敵じゃん。」
ニカッと笑ったの顔を眺め、俺もつられて笑う。
が照れ臭そうに笑ったときは、本当にそう思ったとき。俺はそれを知っているから。
「じゃあ私は、」
そう言うと、は紙に何かを書き始めた。
俺はから生み出される美しい字を、字だけは綺麗なんだよな、と眺めていた・・・・・・。
I love アーサー!
(「は?え?」)
(「だって私アーサー好きだもん!」)
(「ばっ・・・!・・・・・・・ペン貸せよ・・・スペル、教えてやるから」)
(「もしかして両想い!?」)
(「言わせんなばかぁっ!!!!」)
(20101118)
英語の先生が本当に言っていたんだ…!悶えた…!
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