私の恋人は少し心配性らしい。料理するときは手を切らないように、
火傷しないようにといつも言ってくるし、薔薇に水やりをしていても、日射病にならないように、
虫に刺されないようにと気を遣ってくれる。
「イギリスは過保護すぎ!」
「そんなことない!この程度過保護って言わねーぞ!」
他のことは大雑把なときもあるのに、私のことになるといつもこう。
でも、イギリスが何故過保護なのか、わからないわけではなかった。
詳しくはわからないが、彼は、以前とても辛い別れを経験しているらしい。
どんなに大切にしても離れてしまうことを知っている。でも、大切にしないわけにはいかない。
その矛盾を抱えながら、毎日を過ごしているんだろう。
きっと・・・その大事な人との別れトラウマというやつになっていて。
それを私がどうこうできるわけではないけれど、でも、なんとかしたい。
「そんなに心配しなくても、私は何処にも行かないよ?」
どうにかしたいのに、こんなことしか言えない私は、なんて使えない女なんだろう。
「・・・お前にそんなこと言わせる俺は、恋人失格だな。」
ほら、大好きなイギリスに、こんなこと言わせてしまうのだから。
過去を忘れるなんて、出来るわけない。もちろん、忘れろとも言えない。
けど、私はイギリスにもっと前向きになって欲しかった。頼って欲しかった。それが例え無意味なことでも。
「イギリス、私ね、あなたにとって私がすべてではなくても、
気持ちを背負って生きていく覚悟くらい持ってるよ。」
本心を言っただけだった。私にはもうイギリスしかいなくて、イギリスから離れようとは思わない。
今も、これからも。だから、悲しかったら泣いて。不安だったら言って。苦しみを一人で抱えないで。
「過去が知りたいわけじゃないの。」
「・・・」
「ただ、つまり・・・私は・・・過去ごとイギリスを愛する自信があるから・・・だから心配しないで。
不安だったら言ってほしいし、苦しかったら泣いてほしいの。」
「・・・そうか。」
イギリスの目から涙が流れた。私はイギリスをぎゅっと抱きしめた。
イギリスは肩を震わせ、声を殺して小さな子供みたいに泣いた。
こんなことしか出来ないけど、少しでも力になっていればいいな。
貴女の為に出来ること
(今は、泣き止むまでこうしていること。)
(20110202)
泣き虫で甘えん坊な英もたまりません。
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