ってさ、俺のこと嫌いだろ」








夕暮れの教室でふたりきり。女の子なら誰もが憧れるシチュエーション。
でも私は焦っていた。








視線の先に










「嫌い、じゃない、よ」








自分の言葉を確かめながら口にした否定の表現。嘘ではなかった。
嫌いではないのだ。あえて言うのであれば、苦手という言葉の方がふさわしい。


ギルベルトは所謂「問題児」と言われる枠に分類されていた。
けれど、何故かみんなに好かれるタイプだった。つまり性格がいいってこと。
それで顔もかっこいいんだから、好かれるはずだ。








「気を悪くしたならごめんなさい。じゃあ。」








この気持ちはなんだろう?妬み?恨み?違う。この感情は、『憧れ』だ。
憧れだからこそ、同じ空間にいることが苦痛だった。私は目立たないし、つまらないやつ。
みんなが好きと言える人を好きと言えない汚い私。彼といると、余計自分が汚く見えるから。








「おい!まだ話は終わってねーだろ」








これ以上ここにいたら自分が耐えられないと思い、私は逃げるようにその場を立ち去ろうとした。
しかし、ギルベルトはそれを許してはくれないようだ。
待てよ、と言ったと思ったら、腕をつかまれ無理やり引き寄せられた。








「痛っ」
「あ、悪い」








力は緩んだが、手は離していない。何故私になんか構うんだろう。








「俺、なんかした?」
「別に何してないよ。嫌いじゃないって・・・」
「じゃあ、好きになれ」

「・・・え?」
「嫌いじゃねーなら、俺のこと・・・


























好きになれよ」








沈みかけた夕日をバックに、ギルベルトの瞳を初めて見つめた。
それは驚くほど美しく、驚くほど澄んでいた。













































































(20110218)
私はギルベルトをかなり過大評価しているようです。笑
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