これでもかってくらい綺麗な夜空。これだったら星がよく見えそうだ。
そう思いながら、私は軒に腰を下ろした。
今日、近藤さんと土手へ流星を見に行くことになっていた。でも急な仕事が入ったらしく、流星はお預け。
だから私は土手へは行かず軒に座り、空を見ることにした。
土手で見るほど迫力はないだろうけど、見れないことはないだろう。
そう思い夜空を見上げていると、突然前に人が立ちふさがった。
―――――――――――ドS王子こと、沖田総悟である。
「うわっ!びっくりしたな!ちょ、総悟!今日夜勤じゃないの?」
「そうでさァ。サボってきたんでィ。それが何?」
「何って・・・私そういうの好きくない!」
「ったく!くそ真面目な野郎だなァ。こっちはお前が今日星見れないからメソメソ、メソメソ、
メソメソしてんじゃねェかって見に来てやったのに」
「メソメソ多いわっ!」
憎まれ口をたたいた総悟が私の隣に腰を下ろした。
そういえば、なんで総悟が知ってるんだろう・・・?もしかして近藤さんが言いふらしたのかな。
私も本当に楽しみにしていたけど、近藤さんはその10倍くらい楽しみにしていたと思うし。
この日のために望遠鏡まで買っていた。誰かに言いたくもなるだろう。
「土手には行かねェのかィ?」
「うーん、行こうと思ったけど・・・1人だとなんか・・・行きにくくて;」
「望遠鏡は?」
「使い方わかんないし。ここでも流星見えなくはないでしょ?ほら!私、視力良いから!」
元々私が星が流れるのを見てみたいと言ったから、近藤さんはこの計画を練り始めた。
近藤さんは、まるで娘に言われたかのごとく張り切り、様々な道具を集め始めた。望遠鏡もその一つだ。
私がお父さんみたいだと言うと、まだそんな歳じゃねーよ。せめてお兄ちゃんにしろォ!と苦笑いしていた。
でも、どことなく嬉しそうだったので、私も嬉しくなった。私のことも、家族だと思ってくれてるんだ。
近藤さんが行けないと私に伝えたとき、ものすごく申し訳なさそうに謝った。
あの人は自分が悪いと思えば部下にも頭を下げる。そんな近藤さんが私は大好きだった。
だから、近藤さんの分も見て、その美しさを伝えようと思った。
そう考えていたときにふらりと現れた沖田総悟。この人は私の家族であり、好きな人だ。
サボってまで私のところに来てくれたなんて、正直嬉しかった。
「・・・ここより土手のほうが迫力あるんじゃねェの?」
「そうだけどさー」
「土手、行きたい?」
「え?うーん」
「行きたいのか行きたくないのか、どっちかはっきりしろィ!」
「!い、行きたいです!」
「・・・うし。」
総悟は不意に立ち上がると、私の手を取り立ち上がらせ、言った。
「じゃあ、行くかィ。」
「はぁ?ちょ、行くって・・・!?」
「土手でさァ。お前ぇが行きてェって言ったんだろ?」
総悟は二ッと悪戯っぽい笑顔を見せた。
総悟は私の部屋にあった望遠鏡を手に持ち、早くしろィ!
と言ってさっさと先に行ってしまった。
重いものを持ってあんなに速く歩けるなんて流石1番隊隊長・・・・。
総悟の後姿、やっぱかっこいいなあ。
「おいてくぞ」
「っ!!!い、今行く!!!!」
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