ある朝目覚めてみると、誰かがすすり泣く声が聞こえた。 それと同時に近藤さんとか山崎とか総悟の声も聞こえて、もううるさくてしょうがねェ。 久々の休みなんだ。邪魔されてたまるか。



「朝っぱらからうるせーんだよ!静かに寝かせろ」



襖を開き、総悟に罵声を飛ばした。



「そんな怒るのはお門違いじゃねェかィ?土方さん。  こんなにうるさくなったのはあんたのせいなんだから、あんたが責任とれよ」
「はぁ?」



総悟の指を差したほうに目をやってみると・・・・ そこには泥酔したがいた。どうやら朝まで飲んでいたらしい。ベロベロで足元もおぼつかない。



「まだ飲むんれすからぁ!近藤さぁん放してくらさいよ!」



は自分で立てないらしく、近藤さんと山崎に支えられている。 しかも呂律が悪い。あいつ、舌が回らないほど飲んだのか・・・?



「馬鹿野郎!お前、どんだけ飲んだんだ!」
「えー・・・あ!ひ、土方さんっ!?ふ、ふぇ」



は俺の存在にやっと気付いたらしい。 そして俺の顔を見るや否や、泣き始めた。



「ちょ、お前何泣いてんだよ!」
「うわぁぁぁ!!!土方さんらんて大っ嫌いらぁぁぁ!あっち行けぇ!!!」
「・・・!?」
「土方さーん!何しでかしたんですかぁ!さっきから土方さんの名前出すとこうなんですよ! あぁーもぅ!やっと泣き止んだのに!」
「うるへえ!山崎!ちゃんとささえろぉ」
「痛っ!さん、殴んないでくださいよ」
「トシィ、お前何したんだ?」
「近藤さん・・・。俺、何もしてねぇよ;」



考えても思いつかない。 をここまで泥酔させるくらいのこと、俺がするわけがない。 俺、こいつが好きだし。俺と恋人ってやつだし。



「んなこと言って、何かやらかしたんじゃないですかィ?まったく迷惑な話でィ」
「総悟ォ!」
「なんでィ!」
「今日、泊めてくらはい」
「「「「はぁ!?」」」」
「ふっざけんな!!!なんで総悟の部屋に泊まるんだよ!」
「らって、土方さんなんて大っ嫌いらもん!」
「答えになってねぇよ!!!総悟の部屋に泊まるだァ!?絶対許さん!絶対駄目だ! 俺のとこ来りゃーいいだろうが馬鹿!」
「らって・・・」



じわっと令奈の目に涙が溜まっていく。 そして見る見るうちに顔が歪み、溜まった涙が滝のように流れた。



「らって、また約束破るじゃん!!!!」
「約束ぅ?」
「土方さーん困りますぜィ?」
「すまん総悟。そいつは俺が引き取るかr」
「あんたがだよ。」
「あ?」
「俺の部屋に連れてくのは大歓迎でさァ。 でもまぁ、何するかは保障しませんがねィ。つまり、困るのはあんた。」
「なっ・・・!」



なんてやつだ、こいつ。あの人を見下したような目…!を部屋に連れ込んで何かする気だ。阻止しなければ。



「・・・兎に角、総悟の部屋は駄目だ。こっち来い」



近藤さんと山崎に礼を言い、無理やりをはぎ取った。



「やらぁ!放せぇ!」
「うるせぇ!暴れんなよ!総悟、お前に迷惑だから引き取んだからな。」
「トシー、気をつけろよー」
「お前の部屋は嫌だから、俺の部屋に連れていくって素直に言えばいいのに。あのヘタレ野郎。 ・・・まぁ、ひとつ貸しだなァ。(ニヤリ)」






※ ※ ※






「土方てめぇ放せこらぁ」
「うーるーせー!」



部屋まで連れて来れたはいいものの、放すと逃げ出しそうなのでとりあえず手首を掴み、 俺とが向き合う形で押さえ込んでいた。 ぎゃんぎゃん鳴くをなんとかなだめようとするが、なかなかおさまらない。



「放してよぉ!馬鹿土方ぁ!!!」



しかもいつの間にか呼び捨てになった。 いつも土方さん土方さん言ってくっついてくるは一体何処へ行ったんだ・・・!



「・・・おい、なんでそうなったかちゃんと理由を言え。慰めたくても慰めらんねェだろ」
「・・・」



その話題を出したとたん、ピタリと暴言をやめ、静かになった。 そしてまた目に涙が溜まり始めた。さっきからこいつ、泣き上戸なのか?



「らってぇ、うぐぅ・・・」
「だってなんだ?」
「昨日、約束してたじゃないれすかぁ!!!」
「あぁ?・・・約束?」



『土方さん!次のお休みいつですか?』
『あぁ?休みなんてねーけど…来週の平日なら取れないこともねーぞ?何処か行きてェのか?』
『はい!久しぶりに土方さんとデートしたいです!』
『・・・わかった。じゃあ金曜あたりでどうだ?』
『大丈夫です!』
『じゃあ、迎えに行くから。』
『はぁい!』



「待っても待っても来ないし・・・土方さん、ぐすっ、私のこと、ひっく、嫌いになったんれすか?」



・・・やべぇ、完全に忘れてた。 の目からボロボロと落ちる涙。あー、俺のせいだ。俺が泣かせた。



「お願いれす、嫌いに、ならないで、くらさい」
「―――っ!」



途切れ途切れに聞こえる必死に訴える言葉。嫌いになるわけないだろ?むしろ好きなんだよ。 でけー仕事で忙しくてもの考えてる余裕なかったんだ。本当に俺の馬鹿野郎。 俺は弁解する前に、衝動的にを抱きしめていた。 の肩がピクッと動いた。



「悪ぃ。昨日の仕事、結構大変でよ・・・。 いつもより疲れちまって・・・そんで何にも考えないで寝ちまって・・・俺が悪い!本当にすまん! ・・・お前のこと、嫌いになったわけじゃねェよ。」



俺はを更に強く抱きしめた。 どんな罵倒も浴びる覚悟だった。にはそれを言う権利がある。



「・・・よがっだ」
「え?」
「よがっだぁぁぁ!!!うわぁぁぁぁん土方さぁぁぁん」



思いがけない言葉に俺は面食らった。どうやらは、怒りよりも安堵感が勝ったらしい。 今度は逆にが俺の背中に手をまわし抱きしめた。力・・・強っ・・・!



「土方さん、大好きれす」
「うるせぇ、酔っぱらい」




俺の彼女は泣き上戸




(「・・・ぐぅ」)
(「あ、コラ、寝んなよ」)














































































(20100525)
困らせられる土方さんが萌えます。