と話すようになったのは、菊がきっかけだった。は菊の妹で、
俺は初めて会ったとき驚いたことを覚えている。
俺がにあったその日、美味しい紅茶が飲みたいと、菊の家に呼ばれた。
俺の家に来ればいいじゃねーか。と言うと、いえ、お菓子はこちらで用意しようと思いまして。
と返された。せっかく特性のスコーンを作ろうと思ったのに。
と残念な気持ちになったが、菊の家のお菓子はうまい。何度か貰ってるからわかる。
まぁそれならと菊の家に足を運んだ。
そこで俺はと出会った。
年齢は俺と差程変わらないのに、あまりにも外見が幼かった。菊と同じ黒髪に黒目。
小さな身体。日本人の女はこんなにも小さいのか。
そういえば、が初めて俺に言った言葉も特徴的でよく覚えている。
「綺麗・・・」
俺を見たは一言そう言った。俺は呆気にとられてしまい、そ、そうか?
と腑抜けた返事を返してしまったが、はにこにこと笑い、はい。と言った。
その日は菊と2人と思っていたが、是非もと言うと、ありがとうございますと嬉しそうに微笑んだ。
聞けば、菊がいつも持ってきていたお菓子は、全部が作ったものらしかった。
俺は紅茶をいれながら、すげぇな、どれも美味かったぞ。とを褒めた。は本がありますから、
それを見て作るだけなんですよ。と言い、また微笑んだ。
俺はこの笑顔が好きだな、とそのとき漠然と思った。
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それから何故かはわからないが、菊は俺をよく自宅に呼ぶようになった。
特に断る理由がないので、遠慮なく足を運んだ。
菊の家はいささか居心地がよく、行きたくないなんて思うことはなかった。にも会えるしな。
は最初はよそよそしかったが、今では普通に話せるまでになった。
初めは、なんて清純でおとなしくて礼儀正しいやつなんだと思い、
あぁこれが大和撫子と言うやつかと人知れず納得していた。
しかし月日が経つに連れて、はかなりおおざっぱで、おしゃべりで、表情豊かなやつだとわかった。
最初の頃とはかなりの違いがあった。でも、失望は全くと言っていいほどしなかった。
兄である菊が大好きで、お菓子が大好きで、おしゃべりが大好きな普通の女の子。
俺はどちらかというと、最初のより今ののほうが好きだった。
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菊の家へ行くのは、いつしか日課になった。その日のお茶会が終わると、もう次のことを考える。
次はどんな紅茶を持っていこうか、お菓子はなんだろうか、はどんな話をしてくれるだろうか、と。
この前はダージリンだったから・・・明日はアップルティーにしてやるか、
そーいやシナモンの香りのやつもあったな・・・。
会議が終わって、そんなことをぼーっと考えていた。
すると、が(菊を迎えに来たついでだろうけど)俺に聞いてきた。
「アーサーさん、会議お疲れ様です!突然ですけど、明日お時間ありますか?」
「もちろん。お茶会か?」
「はい!えーと、明日はどんなお菓子が食べたいですか?」
「うーん・・・なんでもいいな」
お前の作るものなら、なんて気の効いたセリフでも言えればいのに。
「なんでもいいが一番困ります!」
は困ったように笑った。でも俺には、その笑顔は本当に困った笑顔じゃないとわかった。
優しくて、どこか嬉しそうだったから。
なんでもいいと言えば、きっとはスコーンを作るだろうとわかっていた。
初めて食べたのスコーンの味を思い出す。あのとき、このスコーンなら毎日食べたい、と言った。
今思えば、なんて恥ずかしいことを言ったんだと後悔していたが、あのときはそれぐらい感動したのだ。
そして確か、は、私もアーサーさんの紅茶なら毎日飲みたいです。と言った。もの凄く嬉しかった。
俺はに毎日紅茶を飲ませてやりたいと思った。は覚えているのだろうか。
覚えていて、意識的にスコーンを作ってくれていればいいのに。
「じゃあ、楽しみにしててください!」
「お前の作る菓子はいつも美味いからな。楽しみにしてる。」
「はいっ!頑張ります!」
意気込むを見て俺は唐突に告白しよう、と思った。
俺はのことが好きだ。今までのことを思い出すだけでこんなに愛しい。
告白する理由なんて、それだけで十分だ。
「なぁ、。」
「はい?」
「明日、いつもより少し早く行く。悪いんだが、玄関まではお前1人で来てくれるか?」
「はいっ!(・・・1人?なんでだろう?)」
どうか神の祝福を
(の顔が隠れるくらいのたくさんの薔薇を持って行こう。)
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(20100607)
つ、続いてしまった…;
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